明治初期のころ物の怪が北温泉の館内を夜な夜な騒がして
 おりました。
 あまりに傍若無人な振る舞いに業を煮やした当時の館主は
 温泉神社境内にあるお地蔵様にお参りをし、
 物の怪を諫めてくれるように頼みました。

 その夜、また物の怪が騒ぎ出すと、
 どこからともなく3人の若者が現れました。
 3人の若者は果敢に物の怪と戦いました。
 どすん、ばたん、大格闘の末ついに物の怪を
 館内から追い出しました。
 館主が御礼を言おうと近づくと3人とも
 忽然と姿を消して
しまいました。


 翌朝、館主はお地蔵様が頼みを聞いてくれたと、御礼を言いに温泉神社に行きました。
 ところが、境内のお地蔵様は三体とも首が落ちておりました。
 お地蔵様は我が身を犠牲にして願いをきいて下さったのでした。
 館主はすぐさまお地蔵様の首を付け替え手厚く保護いたしました。

 このお地蔵様達は現在も館内の社にいらっしゃいます。

温泉神社への階段の途中に

首の落ちたお地蔵様

 

館内で今も見守る

 

復活された

三体のお地蔵様